貸借対照表に記載されない借金

どちらがお得?リースか、購入か?

 リースはすべて経費化され、損益計算書上の「販売管理費」に計上されますから、バランスシートに影響を及ぼさないため、格付けに対してもあまり悪影響を与えません。この点も考慮した判断も重要です(ただ販売管理費が増えることによって営業利益が少なくなる影響はあります)。
 リースは実質的には借入金です。しかしバランスシート上では借入金として扱われません。会社で借り入れできる金額はある程度決まっていますから、例えば1000万円の機械を借入金で買ったとすると、その分運転資金等で借り入れできる枠が減ってしまいます。こんなときにリースを利用すれば、借入枠の減少を防ぐことができます。
 現在のところ、販売管理費の中の「リース料」を、実質的な借入金に換算して融資判断をする金融機関は少ないようです。将来的にはバランスシートに反映させるルールになり、借入金と同等の見方をされる可能性もありますが、現状では借入金よりもかなり有利な取扱いを受けているため、これを利用しない手はありません。

 

リースにはこんなメリットも

 さらに次のようなメリットもあります。

 

 (1)一般的に担保を必要としないので、担保を温存できる
 (2)契約時点でコストが確定し、管理が楽
 (3)金利変動の影響を受けない

 

 特に(1)は、余力のある担保自体がないことが多い中小零細企業の場合、大きなメリットといえます。
 また、新品をリースするのではなく、バランスシートに固定資産として計上されているものを、リースに変更することもできます。これをリースバックといい、中古市場ができあがっている自動車などでよく行なわれます。車両を多く使う業種の場合には、検討する価値があります。

 

融資がダメでもリースならOKのことも

 サラリーマンをやめて起業する人が増えています。手っ取り早く商売を始めるために、退職金をつぎ込んでフランチャイズに加盟する人もいます。しかし自己資金ですべて賄えることはまれで、不足分を借入金で補おうとしても、なかなか希望額まで借りることが難しいのが現状です。
 そんなときはリースの利用を考えてみましょう。フランチャイズ本部はリース会社と提携していることが多く、リース会社もそれまでのフランチャイズ店舗の出店の時に同じようなリースを組んでいるので、出店に必要な機材などのリースについては比較的審査が通り易いといえます。また、リース物件の所有権はリース会社にあるので、リース料が払えない場合はその設備を売却してある程度回収できる見込みもあるため、一般の融資よりも限度額を高めに設定できることが多いようです。

 

リース会社の他にも、こんな制度がある

 リースといっても一般のリース会社が取り扱うものだけではありません。各都道府県には中小企業振興公社(中小企業支援センター)という財団法人があり、リースや割賦を低利で組んでくれます。
 各振興公社により対象となる企業やリース条件は異なります。基本的に小規模の企業を支援する意味合いが強いので、従業員数20名以下の企業というふうに対象企業を絞っているところが多いようです。また、新規事業者についても3000万円程度の限度額を決めて、対応してくれることもあります。ただ、設備、機械、車両などでも、リースの対象とならないものもあるので、窓口やホームページで確認した方がよいでしょう。
 審査に時間がかかりますが、民間のリース会社に比べてリース料率がかなり低いところが多く、利用価値は大きいと思います。