私募債と増資

調達の安定化は少人数私募債と増資

業況の芳しくない企業にとっては、金融機関からの借り入れが短期化していく中で、資金調達全体を安定化・長期化していかなければならないという矛盾した状態になっています。借り入れを長期化してその返済を利益で行なえるところはよいですが、なかなかそうもいきません。必然的に安定化のためには毎月の返済義務のない個人資金の投入ということが着目されます。

 

少人数私募債

  少人数私募債は、資金調達のために自社が発行する社債を縁故者(社長一族、取引先、社員、友人など)に購入してもらい、例えば償還期限が5年であればその期間は利子のみを払えばよいというものです。毎月の返済がなく、資金繰りを安定させることができます。
  社債の購入者が49名以下、株式会社であること、募集総額が1億円未満であることなど、ある程度の要件を満たせば、中小零細企業でも発行が可能です。これを中小零細企業の支援策に活用しようと、自治体が利子補給をするというところも出てきました。
  長期資金、利払いのみ、担保なし、償還期限での借り換えも可能と、かなり資本金に近い安定資金の調達が可能となります。

 

増資(債務の株式化)

  増資といっても役員が増資できるだけの個人資産を持っていることは零細企業ほど少ないと言えます。しかし、「債務の株式化」を使えば増資できる企業も結構あるはずです。
  一般的には金融機関が融資している資金(企業から見れば債務)を株式に振り替えることを言いますが、これは大企業で行なう場合の話です。中小企業が行なってメリットがあるのは、従来から役員が会社に貸し付けていた資金(科目上は役員借入金)を資本金に振り替えることです。
 これは帳簿上の話なので実際に資金繰りがよくなるわけではありません。負債(役員借入金)が減り、資本金が増加するので、自己資本比率が向上します。自己資本比率は格付けの中でも配点を高くしている銀行が多いので、振り替える金額にもよりますが格付け向上に大きな効果を期待できるのです。